Weekly Contents #36

🎧 モーニング娘。'24『なんだかセンチメンタルな時の歌』

去年の10月、モーニング娘。'23 のミニライブへまったく知識のないままふとしたきかっけで行くことになり、卒業ソング 「Neverending Shine」を聞いて泣いちゃったッのを期にモーニング娘。をdigったり、つんく♂氏のSNSなどチェックしたりしてます。 (つんく♂氏の note は有料の会員になりましたw) 昨年僕が追いかけ始めてから、初めての曲なのでわくわくしました。 トラックが渋くてかっこいいのと、hook 以外ずーっとフロウが三連符で、めっちゃ尖っているなと思いました。

特に好きなのは 2nd verse の「ちょびっとセンチな気分に浸っていたいもの」のところで、めちゃくちゃむずかしい部分だとおもうし、ここを歌わせるところに小田さくら氏の skill への信頼が出ているなと思いました。 つんくの歌詞は女の子の心を描写するのがとてもうまいとされていますが、突き詰めると人間が何をどう悩んでいて、希望はどこにあるのかを描くのがうまいんだと思います。 だから、男女問わずに心に刺さる詩が書けるのだと思います。

追伸 HIPHOP で3連符が流行りだしたっきかけは2013年の Migos の "Versace" という曲なんですね。覚えておこうっと。(↓の記事は2017年のもの)

by hidelberq

📺 ミクロヒー ～ヒコロヒーのミクロな未承認国家旅～

Huluオリジナルのバラエティ番組「ミクロヒー」。芸人のヒコロヒーときしたかの高野が、世界に存在する未承認国家（=ミクロネーション）を巡る旅番組。地上波で2話分だけ放送されているのを観て、あまりの面白さに続きを見たくなり、Huluを契約した。

ヒコロヒーと高野が訪れたのは「クリスチャニア」「ラドニア」「シーランド公国」というヨーロッパにある３つのミクロネーションや自治地区。特に、クリスチャニアは「ヒッピーの最後の楽園」と呼ばれていて、自分も一度行ってみたいと思った。

未承認国家に行くということで、なかなかハードなロケ番組なのだが、本人たちがちゃんと楽しんだりギスギスしたりしている様子がカメラに撮られていて、観ていてめちゃくちゃ心地の良い番組だった。ヒコロヒーの番組はそういう番組が多い気がする。高野との関係性もすごく良かったので、ゲスト扱いなのかもしれないが、第二弾もあれば、またこのメンバーで行って欲しいな（最後のナレーションでもそう匂わせていたし）

by grandcolline

🎫 『非美学』(河出書房新社)刊行記念　福尾匠×平倉圭トークイベント「眼を逸らさなければ書けない」

哲学者・批評家の福尾匠の著書「非美学」の出版記念トークイベント。代官山蔦屋書店。トーク相手のゲストは、「ゴダール的方法」などで知られる平倉圭。哲学と芸術論という近い分野を大学で研究されていた方同士の対談ということもあり、正直、かなり難しく自分にはついていけない部分も多々あった。だが、つまらないということは全くなく、理解が及ばない部分の話でも聞いていてわくわくする感じがあり、終始楽しめるトークイベントだった。

「非美学」についてはこのイベントで購入してまだ未読なので、あくまでこのイベントだけの感想という前提で書いているのだが、イベント後半で話されていた「目を逸らして書く」という話がいちばん自分の興味が湧くポイントだった。20世紀のフランスの哲学者ジル・ドゥルーズが哲学のアイデンティティを考え直すにあたって、「哲学の体系性」を肯定し、「哲学の諸学に対する卓越性」を批判することを行なった。それは、つまり、哲学は「真理を発見するもの」ではなく「概念を構築するもの」であるという主張である。これを芸術鑑賞や批評に当てはめた際に「目を逸らして書く」ということが言えるのだそう。批評を書くときに作品自体をある哲学の真理を証明するのではなく、作品を見た後に作品自体から目を逸らして、批評自体でひとつの概念を構築するように書くことという意味であると自分は理解している。この Weekly Contents も批評ではないが、コンテンツの感想を書くものとして、この考え方を取り入れるのは面白いと思っている。とはいえ、ここに書いているようなつまらない文章に、概念の構築という大それたことを目指す気もさらさらない。作品を観た後、作品から目を逸らして書く。Weekly Contents の場合は、その目を逸らした先にあるものが「生活」であればいいなと思っている。批評でなく、エッセイや日記に近い文章をかけていければいいなと思う。

またイベントでは、平倉圭氏から「目を逸らしてかく」ことへの鋭い質問が飛んでいて、そこがめちゃくちゃ面白かった。たとえば、自分の書いたものが概念の創造を行えているのか？という課題についてだ。それを判断するのは誰なのか。ひとつの答えとして示されていたのが、第三者が書かれたものを無関係に読んで触発された時点で、見ると書くの分離がなされているといえ、概念の創造が行われているのではないかということだそう。非常になるほどと思ったが、ほんとうにそうであると言えるのか難しいなとも思った。

ひとまず、今読んでいる本が読み終わったら「非美学」を読んでみたい。結構大変だとは思うが楽しみだ。

by grandcolline

🎫 超☆社会的サンダル「超☆入神‼誰でも幸せになれる！？『生命水』今なら何と一本5800円(税抜)‼ツアー」ファイナル

ギターボーカルのオニザワマシロを中心に結成された４ピースロックバンドの「超☆社会的サンダル」の初ツアーのファイナル。場所が 新代田FEVER で自分の家の近くだったこと、対バン相手が「ポップ死なないで」だったことなどもあり、ちょっと観てみたいなと思い立って当日券で入った。

そういう経緯で行ったライブだったが、超☆社会的サンダルの熱量と観客の愛に圧倒された。こんなに感情が表に出て爆発しているライブを見たのは、久しぶりかもしれないと思った。特に感動したのは、演者だけでなく、観客側からもこのライブにかけるただならぬ思いが伝わってきたこと。間違いなく、オニザワマシロの正直な曲やライブパフォーマンスがそれを引き出している大きな要因だと思う。ただ、ライブ中にふと思ったのは、他のメンバーの演奏技術の高さ。土台の演奏が安定していることこそ、この無茶苦茶な超☆社会的サンダルのパフォーマンスを支える大きな武器なのかもしれないと思った。

by grandcolline

🎫 The Last Dinner Party FUJIROCK SPECIAL

イギリス、ロンドンの５人組アートロックバンド The Last Dinner Party の初来日ライブ。フジロックの来日タイミングで行う単独公演。会場は、恵比寿リキッドルーム。TLDP はイギリスの2024年の最注目新人バンドだと思っている。このライブのチケットページにも「このキャパで見られるのは最初で最後です！」と書かれていて、本当にそうなんじゃね？というノリでチケットをとって観に行った。

仕事の都合でリキッドルームに開演ギリギリに現地に着いたこともあって、かなり後ろの方から観たが、それでもアビゲイルのオーラにやられてしまった。若手とは思えない堂々としたパフォーマンスで、これからビッグバンドになっていくバンドってこういうものなのかもと思った。あと、なぜか５人のメンバーが横一列に並んでいることに感動してしまった。Last Dinner Party という名前からの安易な発想かもしれないが、衣装や横一列の感じから、ダヴィンチの最後の晩餐を想起させて、何かとんでも無いものを観ている気持ちにさせられた。

ジョージアの日本語の MC もめちゃくちゃ良かった。

by grandcolline