2024.06.13 - 2024.06.19

お笑いコンビ・エレキコミックのやついいちろうがオーガナイザーを務めるフェス「やついフェス 2024」。渋谷で開催されているのでサクッと行けてありがたいなぁと思いながら去年に引き続き参加。
観たアーティストは下記の通り。
1日目:水曜日のカンパネラ(1曲だけ)→ lyrical school → RYUTist → ラブリーサマーちゃん → でんぱ組.inc → 浪漫革命 → 東京女子流 → おとぼけビ~バ~ → Helsinki Lambda Club
2日目:エアコンブンブンお姉さん → クマリデパート → CANDY TUNE → CYNHN → fishbowl → タイトル未定 → THE ティバ → ドレスコーズ(後半だけ) → 小山田壮平 → DJ やついいちろう → フィナーレ
どのライブもめちゃくちゃ楽しかった。でんぱ組は長くやっているグループのすごみを感じたし、浪漫革命はグルーヴィーで多幸感のあふれるライブで夏の始まりを感じた。あとなんと言っても、2日目の小山田壮平からのフィナーレは最高だった。2日間の疲れた体のせいもあって、めちゃくちゃ感動的な気分になった。なんか、学生の頃の文化祭を思い出した。Sunrise&Sunset めちゃくちゃいい曲だなと改めて思った。
by grandcolline

九段理江の小説。第170回(2023年下半期)の芥川賞受賞作。ザハ・ハディドの国立競技場が完成した世界線の東京を舞台に、犯罪者に快適な生活を保障する刑務所「シンパシータワートーキョー」の設計を行う女性設計士、牧名の物語。芥川賞の受賞会見での「全体の5%くらい生成AIの文章を使っている」という発言が話題になったが、内容自体にも AI が存分に絡んでいて、とても面白い作品だと思った。
正直、まず最初に思ったのは、ザハ・ハディドの国立競技場が完成した世界で、新宿御苑に「シンパシータワートーキョー」という刑務所を建てるというストーリーが、現実のように感じられて非常に不気味だったということ。新宿御苑〜国立競技場のあたりは自転車で何度も通ったことのある場所であり、ザハ・ハディドの国立競技場も実現していたかもしれない未来なわけで、自分が暮らしている今の東京とのつながりを強く感じた。そのこともあり、物語内に出てくる「犯罪者」を「ホモ・ミゼラビリス(同情される人)」と呼ぶという運動も、現在のリベラリズムや多様性社会と繋がっているような錯覚におちいり、その点もめちゃくちゃ面白く読むことができた。
物語の大きな筋のひとつにカタカナ言葉を嫌うという描写があったが、この作中だけでなく現実世界でも、カタカナ言葉を使って抽象度を上げることで、わかりやすい正義にモノゴトを向かわせやすくしている構造があるのではないかと思った。そこへのわずかな気持ち悪さからくる反骨が、作中では「シンパシータワートーキョー」から「東京都同情塔」への言い換えの定着と捉えてもいいのかもしれない。わかりやすい正義を求めた結果、結局、塔の中で暮らすホモ・ミゼラビリス自身も幸せなのかなどと考えた。
あと、本を読む前に、「東京都同情塔」より「東京同情塔」にして「東京」と「同情」だけで韻を踏んだ方がきれいじゃないかなぁと思っていたが、作中でそれじゃ全然きれいじゃないみたいに言われていて、ちょっとショックだった(笑)
by grandcolline
ポッドキャスト番組「ラジオ屋さんごっこ」の #200「カルチャー消費に愛はあるんか?」回。200回記念で、東中野のクラフトビアバー付きポッドキャストスタジオ「雑談」での収録。「雑談」はいろんなポッドキャストで話題にあがってるし、ただビールを飲みに行くだけでもいいから1回行ってみたいなぁと思っている。
さて、エピソードのメイン話題は、カルチャーの軽消費と重消費について。言い換えるならば、ライトユーザーかヘビーユーザーか、ファッションかアイデンティティかということ。どちらかというと自分はカルチャーを軽消費している側だと自認しているし、自分がそうなので軽消費だけをすることに対しても割と肯定的でいると思う。ただ、古参ファンが新規ファンをバカにするというような話はよく聞くし、その心理が自分も分からないわけではない。結局、互いに譲歩し合ってやっていくしかないんだろうな。何の答えにもなってないけど。と思った。
この note の感想もめちゃくちゃ良かった。
by grandcolline
Weekly Contents は毎週その週にハマったコンテンツを紹介するブログ / ニュースレター。 映画セブンでいう図書館の貸出履歴であり、Radiohead でいう Kid A となりうる概念。コンテンツの排泄場所。
毎週、水曜日の更新予定です。

浦安在住のソフトウェアエンジニア兼ラッパー。90 年式。 HIP HOP、社会学、お笑い、ラジオ、エヴァが好き。
下北沢在住のソフトウェアエンジニア。91 年生まれ。 UK ロック、映画、アイドル、お笑いなどのコンテンツが好き。

93年の起爆屋、または起爆装置